電気主任技術者が教える感電しないための対策方法

電気屋さんの現場報告

この記事では電気工事関係の現場で働く方の感電事故防止のため実際に電気主任技術者歴15年以上の私が実践している感電対策をご紹介します。

交流直流両用の検電器を常に携帯する

まずは「検電器」を常に携帯することが最重要です。

実際の現場では、いついかなる状況で通電されているか分かりません。よく言われている「電気は目に見えない」ってやつですね。

この対策として検電器を携帯し、「電気が目に見える」状態にします。

そもそも検電器とは、通電していないか確認する際に先端を電路に当てて使用します。

この際に通電されていれば、ブザーとランプで通電していることを知らせてくれますので通電箇所が可視化されます。近年では、一般的に用いられる「交流」に加えて制御用の電路等に「直流」が用いられることから、ここでは交流と直流どちらも検出できるタイプを推奨します。

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また、使用前の動作チェックや電池残量の確認もお忘れなく!

各メーカー様の取扱い説明書等を参考に定期自主検査も行うようにして下さいね。

以下、長谷川電機工業様のカタログ表記より

検電器は法的(労働安全衛生規則)に決められた定期自主検査の対象外です。しかし検電器はペンチ、ドライバーなどの作業工具と異なり、電気関係の作業において作業者の感電災害を防止する重要な安全用品の一つであるため、定期的に耐電圧性能を確認することが望ましい、とされています。(検電器安全指針)

①高圧および特別高圧検電器は、製品に応じて下記の定期自主検査を推奨いたします。

○短尺タイプの高低圧用検電器(HSF-7、HSE-7T1、HSE-7G) 1年に1回程度、試験電圧10kV以上で1分間の耐電圧試験を行ってください。(検電器安全指針 RIIS-TR-85-2)

○上記以外の機種(検相器も含む) 半年に1回、最高使用電圧×2倍の電圧で1分間の耐電圧試験を行ってください。〔労働安全衛生規則第351条(絶縁用保護具等の定期自主検査)、絶縁用保護具等の規格第9条(活線作業用器具の耐電圧性能) に準ずる〕 ※試験方法はP.67~70をご参照ください。

② 検電器の内蔵電池は、使用しなくても電池単体の自然放電がありますので、定期検査のときチェックし、交換しておきます。

検電器と合わせてテスターでも確認する

検電器での確認と合わせてテスターで電圧を測定することでより確実に無充電であることを確認できます。

検電器の最低鳴動電圧よりも低い電圧が印加されていたり、検電器の経年劣化により感度が鈍くなっていることが想定される場合は、テスターでも電圧測定を行ってください。

電圧を数値として可視化できます。

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作業用革手袋を着用する

作業現場でよく見かけるのが、慣れた人ほど作業性を重視して「素手」で作業している場合がありますが、経験上安全ルールを無視して素手で作業している場合に感電する人が多いです。

素手はうっかり電路に触れただけで感電事故につながりかねません。

革手袋を着用し、作業に当たりましょう。(使用の際は必ず、検電器等と合わせて使用すること)

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※絶縁用保護手袋なども状況に応じて必要となります。(例:手袋が濡れていたり、通電箇所に近接して作業する場合など)

リストアラームを着用する

こちらは上記事項を遵守した上で、さらに安全性向上のため利き腕に装着して使用します。

通電箇所に接近すると、ブザーやランプで危険を知らせてくれます。

あくまで、補助的な役割で使用するのが良いです。検電器と同じように通電確認のための検電行為としては使用しないで下さい。

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まとめ

まとめとしましては、結局の所

「電路に触れる前は検電器で無充電であることを必ず確認する」に尽きます。

現場の状況は常に変化しますので、さっき無充電を確認した電路が現在も無充電であるとは限りません。

車の運転と同じように「大丈夫だろう」という過信は禁物です。

少しの油断で大事故につながりかねません。

私も引き続き感電事故を起こさないよう努めて参りますので、皆様もどうかご安全に作業して下さい!

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